参議院選挙の結果について 日本共産党中央委員会
参議院選挙の結果について
2016年7月11日 日本共産党中央委員会常任幹部会
(1)
7月10日投開票でおこなわれた参議院議員選挙は、「自公と補完勢力」対
「4野党プラス市民」という対決構図が鮮明となり、野党と市民が力をあわせ
てたたかう、戦後かつてない選挙となりました。
この選挙でわが党は、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進という2つの大目標を
掲げてたたかいました。
野党と市民の共闘は、最初の挑戦としては大きな成功をおさめました。
全国32の1人区すべてで野党統一候補を実現し、11の選挙区で激戦を制して
自民党候補に勝利したことは、きわめて重要な成果です。多くのところで、
無党派層の6割、7割の得票を獲得し、「1+1」が「2」ではなく、
それ以上となる〝共闘効果〟が発揮されました。このたたかいのなかで、
他の野党や市民のみなさんとの間で新しい連帯のきずなができたことは、
今後につながる大きな財産です。
日本共産党は、比例代表選挙で5議席を獲得し、選挙区選挙では東京で
当選を勝ち取り、改選3議席を6議席へと倍増させ、非改選とあわせて14議席へと
前進しました。
とりわけこのなかで、比例代表選挙の得票が、躍進した2013年の参院選と
比べて、515万4千票(得票率9・68%)から、601万6千票(得票率
10・74%)へとさらに前進したことは重要です。
野党共闘と日本共産党にご支持をお寄せいただいた有権者のみなさん、
風雨と猛暑の中で奮闘された市民のみなさん、支持者、後援会員、党員のみなさんに
心からのお礼を申し上げます。
(2)
選挙戦では、安倍首相を先頭に、激しい野党攻撃、日本共産党攻撃が行われました。
一国の首相が、日本共産党を名指しして連日攻撃する選挙というのは、かつてない
異常なことでした。それは、野党共闘に本格的に踏み込み、政権打倒に全力をあげる
わが党に対する、支配勢力の強い危機感、恐怖と憎悪を示すものでした。
わが党は、「野党共闘は野合」とする自公の攻撃に対し、「立憲主義を取り戻す」と
いう野党と市民の結束の大義を太く示して断固たる反撃をおこないました。
自衛隊問題を利用した反共攻撃に対しても、わが党綱領が明らかにしている
自衛隊政策を堂々と示すとともに、「海外で戦争する国」づくりを許すかどうかが
選挙の真の争点であることを明らかにし、正面から反撃しました。
今回の選挙での野党共闘と日本共産党の前進は、こうしたかつてない激しい
野党攻撃、反共攻撃と正面からたたかって勝ち取ったものであるところに、
とりわけ大きな意義があると考えるものです。
(3)
日本共産党は、「安倍暴走政治の全体にノーの審判を下し、チェンジの意思を
示そう」と公示第一声から一貫した論戦を行い、安保法制=戦争法と憲法改定の
問題を選挙戦の大争点に押し上げました。「アベノミクス」の破綻について根本
から明らかにし、抜本的対案である「3つのチェンジ」を語りぬきました。
野党と市民の共同に力をつくす党の値打ちを押し出し、「政治は変えられる」と
いう希望を語ったことは、多くの国民に期待と共感を広げました。
選挙の結果、改憲勢力が議席の3分の2を占めましたが、自公は選挙戦で
「憲法隠し」に終始し、国民は改憲への「白紙委任」を与えたわけでは決して
ありません。
わが党は、今回の選挙で得た国会での新たな地歩を生かし、掲げた公約の実現へ、
国民のみなさんとともに力をつくします。
(4)
今度の選挙は、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進を一体に追求する最初の
挑戦でした。
私たちは、ともにたたかった野党と市民のみなさん、支持者や党員のみなさんの
ご意見に耳を傾け、しっかりと教訓を引き出し、今後のたたかいに生かしていく
決意です。
とりわけ、私たちは党の自力の問題を痛感しています。比例代表選挙での
601万票余の獲得という貴重な結果は、立ち上がった党員と支持者のみなさんの
猛奮闘によるものですが、選挙勝利のためにやるべきことをやりきれずに開票を
迎えたことも事実です。党の力が、いまの情勢が求めるものに追いついていない、
そこには大きなギャップがある――これがこの選挙をたたかっての私たちの実感です。
野党と市民の共闘をさらに発展させ、日本の政治を変えるうえで、日本共産党の
果たすべき役割は、ますます大きくなってきます。私たちは、今日の情勢が求める
強く大きな党をつくる仕事に、新たな意気込みでたちあがる決意です。