政治腐らす、政党助成金 自民も民主も維新もみんなも、依存体質
参政権をもたない企業や業界団体が、大きな資金力にものをいわせて政治をゆがめる
のが企業・団体献金です。これをあてにする政党に、国民のための政治ができるはずは
ありません。
2012年末の総選挙をへて自民党が政権運営に乗り出した13年。同党の政治資金の
受け皿団体「国民政治協会」への企業・団体献金は前年比50・7%増の24億3914
万円となりました。
1000万円以上の大口献金も、前年の5業界団体・22企業から9業界団体・44
企業へと倍増。自民党は同年、いまや破綻が明白になった安倍政権の経済政策
「アベノミクス」の一環として行う巨大公共事業と引き換えに、ゼネコン業界に
政治資金の“請求書”まで出していました。安倍自民党と大企業との癒着ぶりを
象徴しています。
大企業中心の財界団体・経団連(会長・榊原定征東レ会長)は今年9月、民主党政権時に
中止した企業献金の再開を決定。自民党は「自発的な寄付の呼びかけは大変ありが
たい」(谷垣禎一幹事長)と歓迎しました。
会員企業・業界団体に献金を促すために経団連が10月に発表した“政党通信簿”では、
自民党が総選挙政策にも掲げる法人実効税率の20%台への引き下げを高く評価して
います。
企業・団体献金は「政策買収」そのものです。
民主党は本部での企業・団体献金は連合の100万円だけですが、総務相届け出の政党
支部分でみると1億3413万円。自民の政党支部分の2億6275万円に次ぐ規模です。
企業・団体献金とともに政党の堕落をもたらしているのが、年額320億円の国民の税金を
政党が山分けする政党助成金です。
何の苦労もなく、巨額の資金が懐に入り、何に使おうと自由勝手。閣僚らの「政治と
カネ」問題の原資にもなった政党助成金は、最悪の無駄遣いの一つであるとともに、
日本の民主主義を破壊しています。
13年には自民党、民主党、公明党、日本維新の会(今年7月解散)、みんなの党、
生活の党、社民党、新党改革、みどりの風(13年12月解散)の9党が受け取りました。
公明党を除き政党本部収入の6〜8割を政党助成金が占め、“助成金なくして政党活動な
し”にまで政党の屋台骨がむしばまれています。
13年に150億5858万円の政党助成金を得た自民党は、同年夏の参院選のテレビ
CMや新聞広告料金など宣伝事業費(38億3015万円)の100%を政党助成金で支出。
民主党にいたっては宣伝事業費(42億9483万円)の99%、候補者の公認・推薦料、
ポスター・ビラ製作、新聞折り込みなどの選挙関係費(11億6686万円)の100%を
政党助成金で賄っています。
また維新は、政党助成金で供託金1億799万円、みんなは4200万円を支出しました。
政党助成金を山分けしている政党は、使い残しても国庫に返納せず、「政党基金」の名で
ため込んでいます。
その総額は13年末で147億5307万円。うち7割近くが民主党のため込みです。
(「しんぶん赤旗」ホームページから)