注目される新スポーツ連盟、 第30回全国総会後の課題  

第30回全国総会後の課題   2012年5月号より

スポーツを通じた被災者支援の継続を

 3月11日を総会の中で迎えました。それだけに、被災地のスポーツ連盟と被災者への支援活動に関わる連帯感あふれる

発言がありました。

 被災者の暮らしとなりわいの復興はこれからが正念場です。同時に、これからも続く復興をめざす生活では、からだと

心の豊かさの復興が不可欠です。健康と身体を動かす楽しみやスポーツを通じた交流がますます必要です。

 それは、宮城県連盟が行なった陸上競技大会に、被災した沿岸部の中学校の陸上部などから900人の大量の参加が

あり、生徒や顧問の先生から大変喜ばれたこと、全国スキー協議会が「子どもたちに元気と笑顔を」と被災地の子どもを

招待するスキー教室に定員の3倍の参加希望が寄せられていることなどに示されています。

 被災地のスポーツ環境の改善、各種の出前大会・行事(スポーツ連盟未確立の地域に出向いて開催する)などスポーツを

通じた支援活動をすすめつつ、今年開催する「東北復興支援第29回全国スポーツ祭典」を被災者の気持ちに寄り添って

成功させましょう。

スポーツ権実現とスポーツの仲間づくり運動を

 今回は、スポーツ権を明記したスポーツ基本法が成立して初めての総会にふさわしく、日常的なスポーツ活動に根ざした

スポーツ施設の整備、改善の要求、公平で合理的なスポーツ施設の管理運営、利用方法を粘り強く自治体に要請し、着実に

実現してきている貴重な経験と教訓が報告されました。同時に、長期の経済不況の下で、スポーツを行なう条件が悪化して

います。

 それに加えて、スポーツ施設の減少が地域の日常的なスポーツ活動の大きな障害となっています。スポーツ権を明記した

スポーツ基本法とスポーツ愛好者、クラブ、スポーツ団体の運動が結びついてこそ本格的なスポーツ権実現が進みます。

この点で、幅広いスポーツ団体、スポーツ関係者の共同を前進させることにスポーツ連盟の今日的な役割があります。

 創立50周年の2015年を前進の中で迎えようという総会決議のよびかけに応え「スポーツの仲間づくり」運動への

決意と計画が述べられました。卓球、ランニング、バドミントンなどスポーツ連盟の競技会への参加者は大きく広がって

います。その要因は、スポーツ連盟の競技会や行事が、人間的な暖かさや連帯感を感じる場となっていることにあります。

 こうしたスポーツの場、スポーツ連盟との出会いの場を「スポーツの仲間づくり運動」としてダイナミックにすすめよう

ではありませんか。そして、空白県に県連盟を確立と『スポーツのひろば』の普及に挑戦し、創立50周年を前進の中で迎える

ことをよびかけます。(和食昭夫)


「スポーツのひろば」2012年5月号より