原水爆禁止2018年世界大会-広島決議&行動提起!!


原水爆禁止2018年世界大会-広島決議  広島からのよびかけ

今、私たちの光は核兵器禁止条約です。この会場にいるすべての皆さんと、これを聞いて

いる世界中のすべての皆さんに対して、広島の廃墟の中で私が聞いた言葉をくり返したい

と思います。

「諦めるな。押し続けろ。光が見えるだろう?そこに向かってはって行け」

―2017年12月10日、ノーベル平和賞受賞式での被爆者・節子サーローさんの演説より

73年目の広島原爆の日――未曾有の豪雨災害をうけた被災地では、きわめて深刻な

事態がつづいています。犠牲になられた方がたへのお悔やみと、被災者のみなさんへの

お見舞いを申し上げます。猛暑のなか、広島をはじめ多くの方がたが被災者救援と

復旧に力を注ぎながら、原水爆禁止世界大会の開催を可能にしてくださったことに、

深く感謝いたします。

 アメリカの投下した原爆がこの広島の街を地獄に変えたあの日から73年、私たちは

核兵器禁止条約への各国の署名と批准がすすむなかで、この日を迎えています。

その中で、6月の米朝首脳会談によって、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の

確立にむけた歴史的な一歩も踏みだされました。

しかし、アメリカの「核の傘」に深く依存する安倍政権は、核兵器禁止条約に背を向ける

ばかりか、「戦争する国」づくりに執念を燃やしています。

今日の世界の動きの根本には反核・平和の世論と運動の発展があります。核兵器禁止条約

の発効や朝鮮半島の非核化を成しとげる力も世論にあると、私たちは確信しています。

核兵器は安全のために必要」だとする「核抑止力」論を打ちやぶり、「核兵器のない

世界」を求める市民社会と政府の共同をさらに発展させるならば、かならず未来は

ひらかれます。

核兵器禁止条約を一刻も早く発効させ、被爆75年の2020年にむけて、「核兵器

ない世界」に道をひらく壮大な運動をくりひろげましょう。東京、北京とオリンピックが

続けて開催される北東アジアを、非核・平和を発信する地域へと大きく変えて

いきましょう。

2020年までに世界数億をめざす「ヒバクシャ国際署名」の運動を、首長や議員とも

共同し、自治体ぐるみ、地域ぐるみで発展させましょう。アメリカの「核の傘」からの

離脱と核兵器禁止条約への参加を日本政府に強く求めましょう。禁止条約への署名・

批准を求める自治体意見書のとりくみを飛躍的に強めましょう。日米核密約を破棄し、

非核三原則の厳守・法制化を求めましょう。

被爆の実相をさらに大きくひろめ、核兵器の非人道性を告発しましょう。すべての地域・

自治体で「原爆展」や被爆体験を語る集いに取り組みましょう。原爆症認定制度の抜本的

改善と被爆者への国家補償を求め、被爆者援護・連帯の活動をいっそう強めましょう。

3000万署名をはじめ9条改憲阻止のたたかいをさらに発展させ、「戦争法」を廃止しま

しょう。

県知事選をはじめ、この秋、沖縄は重要な政治的対決のときをむかえます。県民の尊厳を

かけた「オール沖縄」のたたかいと固く連帯し、辺野古への新基地建設の撤回、普天間

基地の撤去を求めましょう。日米軍事同盟の強化に反対しましょう。

原発再稼働に反対し、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求めましょう。

雇用とくらしの破壊、貧困と格差の拡大に反対し、軍事費を削ってくらし・福祉・教育を

まもる運動を強めましょう。あらゆる差別に反対し、ジェンダー平等を実現しましょう。

こうした運動を大きく合流させ、市民と野党の共同の力で、安倍政権を退陣へと追い込

み、被爆国にふさわしい政府をつくりだしましょう。

 60年をむかえた平和行進でも新たな共同が広がっています。いまこそ国民的な共同を

新しいステージへと高めましょう。被爆者とともに、若い世代とともに、未来を切り

ひらいていきましょう。

ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ ノーモア・ヒバクシャ ノーモア・ウォー

2018年8月6日  原水爆禁止2018年世界大会-広島

行動提起

 大会参加者のみなさん、3日間にわたる世界大会への参加と討論、本当にお疲れ様

でした。

 最初に、この大会のためにおいでいただいたアイルランドオーストリア、ベネズエ

ラ、メキシコ、キューバをはじめ、各国の政府機関代表のみなさん、アジア・太平洋、

ヨーロッパ、アメリカなど世界の反核平和運動の代表、メッセージを寄せていただいた

各国元首・首脳と広島市長をはじめ多くの自治体首長、政党と市民団体の代表、

そして大会をともにされた内外の被爆者のみなさんに、心から感謝と連帯の意を表し

ます。

 合わせて、猛暑のなかで豪雨災害の被災者支援と復旧に力をそそぎながら、国際会議

から閉会総会までの5日間、大会を支えていただいた地元広島のみなさんに心から

感謝します。

そして、通訳のみなさんをはじめ、準備にかかわったすべての関係者のみなさんに

お礼を申し上げます。
 
ことしの世界大会は、世界諸国民の世論と運動、政府と市民社会の共同によって

切り開かれた、核兵器禁止条約の発効と、朝鮮半島の非核化を求める流れを実らせる

ために、核兵器固執する勢力の抵抗をのりこえ、「核兵器のない世界」への確かな

道をきりひらく、壮大な運動にとりくむことをよびかけました。

また、総がかり行動実行委員会の福山真劫共同代表がはじめて大会に参加し、日本の

平和運動・民主主義運動は分裂の時代から、確実に共闘の時代へと新しいステージの

上に立っており、共同、共闘の中にこそ未来がある。そのためにともに頑張ろうと

よびかけました。このよびかけに応えて、共同の輪を全国津々浦々でひろげようでは

ありませんか。

昨日の分科会では、「国際会議宣言」を受けて、政府代表をまじえた討論、「ヒバク

シャ国際署名」のとりくみ、被爆者援護・連帯、沖縄との連帯、非核平和の朝鮮半島

アジア、9条改憲ストップ、原発ゼロ、軍事費と暮らしなど、活発な討論がなされま

した。

その成果を今後の実践に活かしましょう。

みなさん、

核兵器完全廃絶への前進にとって決定的なのは、核保有国とその同盟国において、

禁止条約を支持する国民的多数派をつくり、世論と運動で政府に調印・批准させること

です。

そのカギを握っているのは、それぞれの国の主権者である国民の選択であり、世界数億

めざす「ヒバクシャ国際署名」の役割がいまほど求められている時はありません。

この日本でこそ、大きく前進させましょう。日本被団協は、2020年までに「ヒバクシャ

国際署名」の国民過半数をめざす方針を決めました。秋の国連総会への署名提出を成功

させ、さらに来春の次回NPT再検討会議の準備委員会に向けて、大きな飛躍をつくろう

ではありませんか。

被爆国であり、憲法9条をもつ国にふさわしい役割を日本政府に果たさせることは、

日本の運動に課せられた国際的責務です。日本政府に対して、「核の傘」からの離脱、

核兵器禁止条約への調印・批准を迫りましょう。すべての自治体で意見書決議を実現

しましょう。

朝鮮半島の非核化と平和体制の実現の決め手となる、世論を発展させましょう。

「国際際会議宣言」と諸決議に学び、行動に立ち上がりましょう。「核兵器のない

世界」の実現にむけて、ともに前進しましょう。

2018年8月6日  日本原水協事務局長 安井正和