共産党:衆院選で議席増 84歳の元「プリンス」に聞く (毎日新聞インタビューから)
毎日新聞 2014年12月24日 17時29分(最終更新 12月24日 17時51分)
「安倍さんは祖父、岸信介元首相のDNAを意識しているね。長寿ということらしいが、
政治的な意味でしょう」
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ダメよ〜、ダメダメの野党だらけの中、ひとり共産党が気を吐いている。なにせ衆院選で
議席を8から倍増以上の21にしたのだ。とりわけ9年ぶりに街頭でマイクを握った前議長の
不破哲三さんの思いはひとしおらしい。84歳の元「プリンス」に聞いた。【鈴木琢磨】
◇9年ぶり街頭演説「安倍政権は歴史修正主義」 永田町1強多弱「小選挙区制、
政党助成金が元凶」
「歴史の転換点という感じがありましたからね」。赤旗ひるがえる東京・代々木の党本部で
不破さん、思い切って街頭に飛びだそうと決意した理由を振り返りながら、戦後保守政治に
おける安倍晋三政権の特異性を語りだした。
寒い夜だった。選挙戦最終盤の10日、不破さんは京都は四条河原町にいた。
議長を退いて8年、宣伝カーの上で黒いコートを着込んだ不破さんは「矢も盾もたまらず
駆けつけてまいりました!」。その気迫に埋め尽くした支持者から大きな拍手、
おばちゃんたちは「やっぱりかっこいい。ええ声やわ」。演説を私も聞いた。
「自共対決」構図を強調しつつ、持ち出したのは週刊誌「アエラ」(8月11日号)に
載った元官房長官、野中広務さんのインタビュー(聞き手はジャーナリストの
青木理さん)だった。 こんなやりとりがある。
野中 だいたい安倍さんは「戦後レジームからの脱却」と言うが、それは自分の
祖父である岸信介元首相がA級戦犯(容疑者)にされた東京裁判を否定したいと
いうことなんだ。
−−それは戦後世界秩序の否定です。中国や韓国ばかりか、欧米だって認めない。
野中 自滅しますよ、こっちが。中国と韓国に外交的な攻撃をされるだけでも国の
形がなくなっちゃう。それほど危険な状態になっている。
「演説でも言ったけど、驚きましたよ。野中さんがここまで言ってるとはね。だって、
あれだけの侵略戦争をやっておいて、侵略ではありません、正義の戦争でしたでは……。
アメリカやヨーロッパでは安倍政治について、歴史修正主義だとの評価が定着してるんで
すから。それを野中さんは国の形がなくなっちゃうと表現した。同じ自民党(元幹事長)の
古賀誠さんにしたって、日本遺族会の会長だったけど、遺骨収集して回れば、日本の兵隊は
どんな戦場で、どんな死に方をしたかよくよくわかるわけでしょ。
そうした人たちがいまの自民党に居場所がない。発言する場所がない」
それで「しんぶん赤旗」が受け皿になっていると?